熱流体解析ソリューション

数値流体力学(CFD)とは、対象とする流れ場およびその他の物理現象を詳細に計算するエンジニアリング手法です。CFD の解析結果は、Simulation Driven Product Development™(シミュレーション主導の製品開発)のプロセスにおいて、製品や製造プロセスがどのように機能するかの説明、トラブルシューティング、パフォーマンスの最適化、新製品の設計などに利用されます。

多くの企業ユーザーおよびアカデミック ユーザーを持ち、流体シミュレーションの幅広く奥深い製品ラインを有するANSYS は、商業用エンジニアリング シミュレーションの先駆者であり技術推進者です。

多くの最先端技術がそうであるように、CFD を開始してから、今日のシミュレーション主導の製品開発プロセスへの統合に至るまでには、長い発展の道のりがありました。この発展は、高度な数学的流体ソルバーの提供という枠をANSYS が超えたことによって実現したものです。現在は、流体モデルと他の物理現象のシミュレーション技術をシームレスに統合したシミュレーションを行うために、マルチフィジックスというアプローチを行っています。 ANSYS は明確なビジョンを持っており、それは、忠実度の高いマルチフィジックス解析ツールの体系を提供し、ANSYS® Workbench™アーキテクチャを使用したシミュレーション主導の製品開発を実現させることです。ANSYS Workbench プラットフォームは、それぞれのニーズに合わせて用意されたさまざまな技術を統合すると同時に、確実な相互運用および将来のアップグレード パスを提供します。 この中には、ANSYS の提供する非常に幅広い流体シミュレーション製品ラインが含まれており、これは汎用と特定用途の2 つのカテゴリに分類されます。ANSYS 流体力学製品ラインの持つ広さと深さは、他に並ぶものがありません。

汎用CFD ソルバー

ANSYS CFD からは、ANSYS® FLUENT® およびANSYS® CFX® の両方にアクセスすることが可能です。この2 つは当社が提供する汎用流体シミュレーションの主力製品であり、それぞれを単独で使用することも可能です。数十年にわたりそれぞれ別々に開発されたこの2 つのソルバーには多数の共通点がありますが、明らかな相違点もあります。 共通点としては、高精度を実現させるコントロールボリューム法にもとづいていることや、幅広い適用分野に対応する圧力ベースの解析技術が挙げられます。主な相違点としては、流体方程式の積分方法とこの方程式の解析方針が挙げられます。

ANSYS CFX はANSYS Workbench に完全統合されており、このバイオメディカル分野での動脈瘤モデルからは動脈壁面の応力が確認できる。
ANSYS CFX はANSYS Workbench に完全統合されており、このバイオメディカル分野での
動脈瘤モデルからは動脈壁面の応力が確認できる。

ANSYS CFX ソルバーでは、領域を離散化させるのに、構造解析で使用されるものと類似した有限要素(セル節点法)を使用します。一方、ANSYS FLUENT ソルバーでは有限体積(セル中心法)を使用します。相違点を持ちつつも、正確なCFD シミュレーションに不可欠な、流体の質量保存則を厳密に満たす「コントロール ボリューム法」を採用しているという部分は共通しています。ANSYS CFX は、運動の支配方程式を解く手法を1 つ(連成代数マルチグリッド)に絞っているのに対し、 ANSYS FLUENT は複数の手法(密度ベース、分離型および連成型の圧力ベース)を提供します。両者はともに、あらゆる流体力学シミュレーションで必要とされる、さまざまなモデルの忠実度を保証する多様なモデリング機能を装備しています。

さらに、ANSYS® CFD-Flo™は、企業の製品開発プロセスの最前線で活躍する設計者の持つ流体解析のニーズに対応します。ANSYS CFD-Flo では、利用できる物理現象は設計エンジニアが一般的によく使用するものに限定されています。これは、他の適用可能なANSYS Workbench のアドインと互換性を持ちます。簡易的で低コストなANSYS CFD-Flo は、設計部門での利用に適しています。

ANSYS CFD は高いスケーラビリティを備えています。ハイパフォーマンス コンピューティングのオプションであるANSYS HPC により、製品開発期間を短縮することが可能です。並列計算クラスタで大規模モデルの計算を可能にします。1,000 以上のプロセッサを搭載したシステム上で線形スケーラビリティを見せています。

ANSYS の流体シミュレーション ソルバーには、1,000 人月以上に相当する労力を費やして研究開発が行われてきました。この努力が、ANSYS の流体シミュレーション ソフトウェアの大きな強みである、実績、信頼性、幅広い分野への細やかな対応に結びついています。その結果、当社のCFD コアソルバーは世界各国の企業から利用され、信頼を得ています。

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特定用途向け流体解析ツール

柔軟性や汎用性は重要な要素ですが、ある特定の適用分野においては必要でないこともあります。ANSYS は、汎用流体シミュレーションを提供するだけでなく、流体シミュレーションをさらに利用しやすくした、特定用途向けの流体解析ツールにも焦点を当てています。これらの製品は、特定の種類のシステムを解析する全段階を1 つのパッケージに統合した方法であることから、垂直アプリケーションとも呼ばれます。この技術は、業界に特化した機能を提供する他に、その業界の専門用語にも対応しています。

ターボ機械は、世界で最も成功した流体力学の垂直アプリケーションの適用例だと言えます。その理由は、広範な回転機械の分野全体にわたり、形状や物理現象に類似点が多くみられることにあります。ANSYS が提供するターボシステムに対応した技術には、特定用途向けの形状作成およびメッシュ生成ツールがある他に、汎用流体シミュレーション ツール内に特殊モードも装備されています。

ANSYS FLUENTで解析した三相気泡塔内の混相流の質量分率
ANSYS FLUENT で解析した三相気泡塔内の
混相流の質量分率
  ANSYS CFXは複雑なターボ機械のモデル化によく使用される
ANSYS CFX は複雑なターボ機械の
モデル化によく使用される

ANSYS® Icepak® は電子機器の設計およびパッケージングに特化した製品群です。最適化した冷却システムの設計における電子回路基板やその他の部品の性能および耐久性を向上させるために、電子機器やコンピュータ システムの中の流れ場や温度を計算します。

ANSYS® POLYFLOW® は、高分子加工、金型充填、熱成形、ガラス製造といった素材業界のニーズに特化しています。粘弾性流体のような非常に複雑な挙動を伴う流体のモデル化が可能です。ANSYS POLYFLOW は、逆計算を実行して押し出しダイの理想的な形状を求めるといった、独自の機能を提供します。また、ブロー成形プロセスの最終的な肉厚を計算することも可能です。

ANSYS Airpak は、オフィス、工場、スタジアム、その他の大規模な公共施設などの建物に設置される暖房・換気・冷房システムの設計に特化しています。換気システム内の気流、熱伝達、汚染物質輸送、熱的快適性を正確にかつ簡単にモデル化することができます。

FLUENT® for CATIA V5® は、CATIA V5 の製品ライフサイクル管理の環境に熱流体解析を取り入れます。利用可能な流体の物理モデルは、設計エンジニアが最も一般的に使用するものです。FLUENT for CATIA V5 は、ANSYS FLUENT と完全互換です。

ANSYS CFX には、ユーザーが設定可能なセットアップ ウィザードや計算式言語が用意されています。ANSYS FLUENT では、ユーザー定義関数が利用可能です。他のANSYS Workbench ベースのアプリケーションで利用可能なスクリプト ツールと組み合わせることで、独自の垂直アプリケーションを作成することができます。設計部門で使用するために、解析部門がこのような垂直アプリケーションを作成することは珍しくありません。このアプローチの最大の利点は、シミュレーション プロセスの繰り返しを確実に制御できる、つまり、どのような流体力学プロセスでも品質制御できるということです。

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ANSYS が提供する流体シミュレーションの利

ANSYS の流体解析技術により、さまざまな種類の製品やプロセスにおける流体力学を詳細に解析することが可能です。プロトタイプの作成コストを削減できるだけでなく、実験からは容易に得られない広範なデータを得られます。流体シミュレーションは物理的試験を補完するものとして利用することができます。新しいシステムを解析した後に、どういった検証テストを何回実行するかを決める、といった使い方をしている設計者もいます。問題解決する場合に、流体力学解析は結果だけではなく根本的原因を明らかにできるため、より早く確実に問題を解決することができます。 また、新しい部品設計を最適化する場合には、短時間で多くのWhat-if シナリオを解析することができます。この結果、パフォーマンス、信頼性、製品の整合性が改善されます。ANSYS は、ユーザーの皆様が、従来の大きな資本を必要とする設計プロセスから、シミュレーション主導の製品開発への切り替えを進めていただけるように、技術の革新と統合を継続します。

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ANSYS の長所

他に類を見ないほどの広さと深さを備えたANSYS のエンジニアリング シミュレーションを利用し、多くの企業がその最先端の設計構想から革新的で実用的な製品や処理を生み出しています。今日、「FORTUNE Global 500」の上位100 社の製造企業のうち97 社が、グローバル競争に勝つための戦略の鍵として、エンジニアリングシミュレーションに投資しています。これらの企業は、複雑な技術的課題を解決するために、ANSYS をシミュレーションパートナーとして選び、この世界有数の包括的なマルチフィジックスソリューションを導入しています。ANSYS のソリューションの持つスケーラビリティがユーザーの求める柔軟性を実現し、アーキテクチャにおいて思い通りの設計システムやプロセスに適用させることが可能です。 世界で成功を収める数々の企業が、業界のリーダーとしておよそ40 年もの実績を持つANSYS に、最良のエンジニアリングシミュレーションを期待する理由はここにあります。

ANSYS FLUENT の移動メッシュ技術は、回転翼航空機が飛行モードを変える際の翼の傾きの変化をモデル化するのに使用される。
ANSYS FLUENT の移動メッシュ技術は、回転翼航空機が飛行モードを変える際の
翼の傾きの変化をモデル化するのに使用される。
 
ANSYS CFD-Post は定量的でグラフィカルなポスト処理およびレポート機能を提供。異なる設計の性能比較が容易で、設計の最適化を効率的に行うことが可能。
ANSYS CFD-Post は定量的でグラフィカルなポスト処理およびレポート機能を提供。
異なる設計の性能比較が容易で、設計の最適化を効率的に行うことが可能。

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CFD基本事項   CFDワークショップ

ANSYS FLUENT

ANSYS Workbenchに統合されたANSYS FLUENTによるフットボールの周囲の気流
ANSYS FLUENT はANSYS Workbench に統合され、設計の最適化を効率的に行うことが可能。上のモデルはフットボールの周囲の気流を表したもの。

ANSYS FLUENT で計算された車体の温度コンター図
ANSYS FLUENT で計算された車体の温度コンター図

ANSYS FLUENT での解析に使用されたレーシングカーの多面体メッシュ
ANSYS FLUENT での解析に使用されたレーシングカーの多面体メッシュ。多面体メッシュの使用はシミュレーションのスピード向上に有効。

ステントを挿入した毛細血管内の薬物濃度のコンターをANSYS FLUENT で予測
ステントを挿入した毛細血管内の薬物濃度のコンターをANSYS FLUENT で予測

ANSYS CFX

ANSYS CFX でモデル化した自動車のエンジン筒内流れ
ANSYS CFX でモデル化した自動車のエンジン筒内流れ

ANSYS CFX でモデル化したパイプの結合部の流体
ANSYS CFX でモデル化したパイプの結合部の流体
(資料提供:CADFEM)

ANSYS CFX でモデル化した船体周囲の波の成形
ANSYS CFX でモデル化した船体周囲の波の成形

ANSYS Icepak

ANSYS Icepak による、冷却ファン内蔵式ヒートシンクの温度予測事例
ANSYS Icepak による、冷却ファン内蔵式ヒートシンクの温度予測事例。ファン翼の回転を正確に表現するため、移動基準座標を使用している。

ANSYS POLYFLOW

熱成形されたダッシュボードの部品の最終的な肉厚
ANSYS POLYFLOW は一般的に熱成形やブロー成形の解析に使用される。上の例は、熱成形されたダッシュボードの部品の最終的な肉厚を表している。

粘弾性のある食品材料を押し出しているところをANSYS POLYFLOW でシミュレーションしたもの。入口から5 つの出口までの間の圧力損失を表している。
粘弾性のある食品材料を押し出しているところをANSYS POLYFLOW でシミュレーションしたもの。入口から5 つの出口までの間の圧力損失を表している。

ANSYS Airpak

ANSYS Airpak で計算したデータセンター内の気流
ANSYS® Airpak® で計算したデータセンター内の気流

FLUENT for CATIA V5

FLUENT for CATIA V5はCATIA V5 PLM 環境内で動作可能
FLUENT for CATIA V5は上図の熱交換器のシミュレーションのようにCATIA V5 PLM 環境内で動作可能


FLUENT for CATIA V5

ANSYS の流体力学ソフトウェアによるスタティックミキサーのシミュレーション
ANSYS の流体力学ソフトウェアによるスタティックミキサーのシミュレーション